木本類1:中・高木



アカマツ (赤松) マツ科マツ属
 常緑針葉樹  雌雄同株

和名アカマツは樹皮の色に由来すると見られる。メマツ(雌松)」、「オナゴマツ(女子松)」などの女性を連想させる呼び名が多い。萌芽更新、挿し木は困難で更新は実生による。

 

軟らかく加工しやすいわりに強度もあるため、特に梁材として建築用構造材の評価が高い。


アカメガシワ (赤芽槲
トウダイグサ科アカメガシワ属
 落葉広葉樹  雌雄異株

「カシワ」の語源は、食べ物を蒸すときに葉を使ったことから「炊(かし)ぐ葉」が転訛したもの。別名ゴサイバ(五菜葉)といい、この葉に食べ物を盛ったことがその由来という。

明るいところを好む典型的なパイオニア植物で、大木を伐倒して周りが明るくなるとすぐに現れる。

 

樹皮は生薬として健胃作用の薬効がある。


アスナロ (翌檜
ヒノキ科アスナロ属
 常緑針葉樹  雌雄同株

名前の由来には諸説あり、ヒノキに劣るということではなさそうである。抗菌性、耐湿性、耐朽性に優れ、材として建築、家具、風呂、土木、船などに特に北陸・東北地方で多用される。また、精油は防虫剤、香料などに利用される。


イヌシデ (犬四手)
カバノキ科クマシデ属
 落葉広葉樹  雌雄異花

四手(紙垂)とは、しめ縄や玉串などに下げる細長く切った紙のこと。果穂を四手に見立てた。

 

コナラ、クヌギと共にシイタケのほだ木、薪炭材として利用されるが、イヌシデは燃えにくいため、薪炭林には少なかった。しかし、近年の雑木林では主要な樹種になっている。


イヌツゲ (犬柘植)
モチノキ科モチンキ属
 常緑広葉樹  雌雄異株

将棋の駒や櫛など細工物によく使われるツゲ科のツゲとはよく似ているが異なる。ツゲは葉が対生するがイヌツゲは葉が互生し、芽出力が強いので生垣や庭木の型物に多用される。

 

放置すると主幹はまっすぐに伸び高さは数メートルに達する。樹皮から鳥もちが採れる。


イロハモミジ(いろは紅葉)
ムクロジ科カエデ属
 落葉広葉樹  雌雄同株

福島県以西の日本でよくみられ、いわゆるモミジの代表。植物学上はモミジとカエデは同じ。多数の変種、園芸品種がある。


ウワミズザクラ(上溝桜)
バラ科ウワミズザクラ属
 落葉広葉樹  雌雄同株

別名ハハカ、コンゴウザクラなど。サクラの仲間だが、サクラらしからぬ白い小さな花が房状につくのが特徴。

古代の亀卜(亀甲占い)で上面に溝を彫った(上溝)板(波波迦)に使われた事に由来する。

 

若い花穂と未熟の実を塩漬にしたものは杏仁子(あんにんご)といい、新潟県や東北地方で食用とされる。但し、果実の核や未熟な部分には青酸配糖体を含むのでよく漬け込んで十分分解させる必要がある。完熟前の赤い果実は果実酒に使われる。


エゴノキ(野茉莉) エゴノキ科エゴノキ属
 落葉広葉樹  雌雄同株

果実の皮に有毒なエゴサポニンを多く含む。初期には果実にも同量のサポニンを蓄えるが、11月を過ぎると急激に減少する。昔は若い果実を石鹸のように泡立たせて洗濯などに用いた。

 

子供が、エゴノキの花を「セッケン花」「シャボン花」などと称し、花を多数摘み、それを手で揉んで泡立てて遊ぶことがある。この行為自体に危険はないが、口に入れると有害なのでその点に注意を要する。


カキノキ(柿の木)
カキノキ科カキノキ属
 落葉広葉樹  雌雄異花

原産は中国であるが、学名の種名は「Diospyros kaki」。英語、フランス語でもkakiで通じる。

渋柿が原種で甘柿は渋柿の突然変異種。数百の品種がある。

古くより民間でも漢方でも用いられた。漢方処方では柿蔕湯、丁香柿蔕湯などに配合されている。柿渋は高血圧に大変効果があるほか、傘や和紙の防水。防腐剤として用いられた。

 

生の果実は食用であるが、二日酔いなどの酒毒を消す作用がある。冷やす作用が強く、食べ過ぎると便秘や腹痛の原因となる。


カシワ(柏)
ブナ科コナラ属
 落葉広葉樹  雌雄異花

カシワは火災に特に強いことが特徴の一つ。

 

冬には葉が枯れるが、枯葉を春新芽が出るまで落とさない。このことから、神が宿る縁起木とされ、神職の家紋などによくこの葉の模様が使われた。


カラスザンショウ(烏山椒)
ミカン科サンショウ属
 落葉広葉樹  雌雄異株

樹皮に短くて鋭いトゲがあり、老木ではトゲの痕がいぼ状になって残る。

 

普通食用にはしないが、清涼感のある独特の風味の蜂蜜がとれる蜜源植物ともされる。また多くのアゲハチョウの食草となる。


キンモクセイ(金木犀)
モクセイ科モクセイ属
 常緑広葉樹  雌雄異株(日本には雄株のみ)

ジンチョウゲ、クチナシと合わせて、日本の三大芳香木のひとつ。

中国原産で、日本には江戸時代に雄株だけが渡来した。結実しないので挿し木で各地に広がり栽培された。

 

花には薬功があり、芳香材としても活用される。


クヌギ(椚・橡)
ブナ科コナラ属
 落葉広葉樹  雌雄異花

コナラと共に里山の代表木。薪炭材として評価が高く、シイタケの原木栽培の榾木(ほだぎ)として用いられる。伐採しても萌芽再生力があり、成長が早く伐採から10年ほどで繰り返し収穫でき利用できる。

カブトムシやクワガタ、チョウ、オオスズメバチなどの昆虫が樹液を求めて集まる。

 

大青田の森では、直径60cm以上の大径木がカシノナガキクイムシを媒介とするナラ枯れの被害にあい、何本か枯死、倒木となっている。


クリ(栗)
ブナ科クリ属
 落葉広葉樹  雌雄異花

栽培品種が多く、原種で山野に自生するものは、シバグリ(柴栗)、ヤマグリ(山栗)と呼ばれる。

雌雄同株だが雄花と雌花を付ける。雄花は梅雨時に1020cmの穂状に延びてよく目立ち、精液に例えられる特有の臭気を放つ。

原始・古代からクリの実は食料として重用され、また、木部は建築材としても多用される極めて重要な樹木で、三内丸山遺跡では縄文時代にはすでに栽培管理されていたという。

 

いが、葉はそれぞれ栗毛毬(リツモウキュウ)、栗葉(リツヨウ)と呼ばれる生薬ともなり、草かぶれ、虫刺されや火傷にその煎液を用いる。


コナラ(小楢)
ブナ科コナラ属
 落葉広葉樹  雌雄異花

オオナラ(ミズナラの別名)と比較して葉とドングリが小さめ。

イヌシデ、クヌギとともに大青田の森を代表する樹木。本来里山のこれらの樹木は、直径10cm程度に育ったら伐採され、薪炭、シイタケ栽培などに利用されるものであった。切株からの萌芽をまた育てて利用するというサイクルを回して里山の景観が保たれてきたものだった。だが、今はそれがなくなり、いずれの樹木も天を突く巨木となってしまった。

大青田の森にあるこれらの樹木で株立ちしたものはなく、皆一本立ちであるので、皆一度も伐採経験のない木と思われる。

コナラもクヌギ同様にカシノナガキクイムシを媒介者とするナラ枯れ被害にあっており、樹齢数十年生きてきた大木が同じ運命をたどっている。

森で、ドングリが成熟する前にドングリのついた小枝がたくさん落ちているのを見ることがある。これはハイイロチョッキリによるもの。

 秋に地上に落ちたドングリはすぐに根だけを伸ばし、子葉は殻内に残る。春先にはなって子葉が殻を破り、本葉を展開させる。春には多数の実生苗木がみられる。


コブシ(辛夷)
モクレン科モクレン属
 落葉広葉樹  雌雄同株

早春、サクラや他の木々に先駆け、葉が展開する前に白い大きな花をつけるのでよく目につく。

昔は、農家が春の農作業を始める合図ともなっていて、地方により別名が多数ある。

 つぼみは薬用に利用し、生薬名をシンイ(辛夷)といい,鎮痛薬や消炎薬として頭痛や蓄膿症などの漢方薬に配合処方される。

ゴンズイ(権萃
ミツバウツギ科ミツバウツギ属
 落葉広葉樹  雌雄同株

関東地方以西に生育し、普段は目立たないが、葉が緑色の時から果実が赤くなるので、初秋には人目を惹く。

 若芽は食用にできる。

サイカチ(皁莢
マメ科サイカチ属
 落葉広葉樹  雌雄同株

幹や枝には、大きくて枝分かれした鋭い棘が多数ある。

秋、長さ20 - 30 cmでねじ曲がった灰色の豆果をぶら下げてつける。

莢にサポニンを多く含むため、石鹸の代わりに、古くから洗剤や入浴に重宝された。

豆果は皁莢(ソウキョウ」という生薬で去痰薬、利尿薬として用いる。種子は漢方では皁角子(サイカクシ)と称し、利尿や去痰の薬に用いた。また棘は皁角刺(ソウカクシ)といい、腫れ物やリウマチに効くとされる。

大青田の森のサイカチの木の樹液にカブトムシやクワガタムシが集まっていることがある。

サクラ各種(
バラ科サクラ属
 落葉広葉樹  雌雄同株

オオシマザクラ、ヤマザクラ、サトザクラなどがあるが、オオシマザクラは2014年に千葉県の林業事務所から贈られ植栽したものである。


オオシマザクラ


ヤマザクラ



サザンカ(山茶花
ツバキ科ツバキ属
常緑広葉樹  雌雄同株

山茶花の本来の読みであるさんざかが訛り現在の読みとなった

同属の「ツバキ」との区別は、葉が小振りで鋸歯があること、花期が早い(晩秋~初冬)こと、花弁が一枚ずつ離れていることが一般的だが、多くの栽培品種があるのでこの特徴から外れるものもある。


シラカシ(白樫
ブナ科コナラ属
常緑広葉樹  雌雄異花

ドングリは野生動物の餌になるが人が食べると有毒。暗い森の中でも発芽し成長する。

 

萌芽能力が高く何度も伐採可能であり、木材で火持ちが良いということから、薪や木炭として重用された。大青田の森のシラカシはみな伐採経験がなく大木になっている。ブナ科である本種もカシノナガキクイムシ媒介の「ナラ枯れ」が報告されているが、大青田の森では虫の侵入の兆候はわずかにみられるが、枯れの兆候は見られない。


シュロ・ワジュロ(棕櫚
ヤシ科シュロ属
落葉広葉樹  雌雄同株

別名ワジュロ。平安時代にアジア大陸南部から九州に持ち込まれた外来種。材は寺の鐘をつく撞木になり、幹の繊維(シュロ皮)は縄や箒、タワシなどの材料になる。

 

シュロは亜熱帯原産であり寒さに弱いが、近年は温暖化により発芽成長が容易になり、鳥によって運ばれた種子から発芽成長した「ノラジュロ」が各所に見られ、大青田の森でも幼苗の発現がみられる。


シロダモ(白だも
クスノキ科シロダモ属
常緑広葉樹  雌雄異株

クスノキの仲間であり、葉をちぎると特有の樟脳の香りがある。

雌雄異株で晩秋に雌の木には雌花が、雄の木には雄花が咲く。雌の木にできる直径11.5cmほどの楕円形の果実は翌年の秋に赤くなり、花と果実を同時に見ることができる。

 

種子から採れる油は「ツヅ油」とよばれ、除虫剤,灯火油、石鹸・蝋燭原料として九州(長崎県)で用いられていた。


タブノキ(椨の木
クスノキ科タブノキ属
常緑広葉樹  雌雄同株

大木になるが、大青田の森には実生と思われる小苗が数株見られる。


ツバキ(椿
ツバキ科ツバキ属
常緑広葉樹  雌雄同株

ツバキは野生種ヤブツバキの別名であるが、近縁種、園芸品種を総称してツバキ(椿)という。大青田の森には野生のヤブツバキはなく、他所から持ち込まれた園芸種である。


トウネズミモチ(唐鼠黐
モクセイ科イボタノキ属
常緑広葉樹  雌雄同株

中国中南部が原産で明治時代に日本に渡来した帰化植物。

果実を干したものは女貞子(じょていし)と称する生薬で、日本原産のネズミモチ同様に強壮剤として利用される。

近年、急速に日本各地に広がってきており、要注意外来生物に指定され、千葉市では駆除が推奨されている。

 

大青田の森では小木が数株見られる。


ナツグミ(夏茱萸
グミ科グミ属
落葉広葉樹  雌雄同株

春に垂れ下がって咲く花の花弁に見えるのは萼で、果実は初夏に赤く熟し、少し渋いが食べられる。


ナツツバキ(夏椿
ツバキ科ナツツバキ属
落葉広葉樹  雌雄同株

別名シャラノキ、シャラ。花は短命な一日花。

大青田の森のナツツバキは、2014年に千葉県の林業事務所から贈られ、植栽したものである。大きく生長すると樹皮の剥離が始まる。


ヌルデ(白膠木)
ウルシ科ヌルデ属
落葉広葉樹  雌雄異株

別名フシノキ、カチノキ。葉にできたアブラムシの虫こぶ(虫癭(ちゅうえい))を五倍子(ごばいし)、付子(ふし)という。タンニンを多く含み、黒色染料やお歯黒の材料にした。材は細工物や護摩を焚くのに使われる。

大青田の森では、藪の刈払いをすると真っ先に芽を出して大きくなるが、虫こぶのできるものは少ない。

 

果実は塩麩子(えんぶし)という生薬となり、下痢や咳の漢方薬として用いられた。


ネムノキ(合歓木
マメ科ネムノキ属
落葉広葉樹  雌雄同株

夜になると小葉が閉じて垂れ下がる就眠運動を行う。漢字名の「合歓木」は、葉が合うところからの名前で夫婦円満の象徴とされている。

 

樹皮は合歓皮(ゴウカンヒ)と呼ばれる生薬で、鎮痛,鎮静,強壮,利尿作用があり、,不眠,打撲,腰痛,関節痛,捻挫などに薬功があるという。


ハゼノキ(櫨木
ウルシ科ウルシ属
落葉広葉樹  雌雄異株

安土桃山時代末に中国南部から九州に導入され、江戸時代、木蝋の原料植物として西日本の各藩で盛んに栽培された。日本の山野に自生しているものは、それが野生化したもの。


ハリギリ(針桐
ウコギ科ハリギリ属
落葉広葉樹  雌雄異株

別名センノキ(栓の木)。

若木は、枝や樹幹に太くて鋭いとげがあるが、老木になるに従い鋭さを失いトゲはなくなる。

 

樹高が高く採取がむずかしいが、春に芽吹いたばかりの新芽は、山菜として食用にされる。タラノキの芽よりアクが強くあく抜きが必要。


ヒサカキ(姫榊) モッコク科ヒサカキ属
常緑広葉樹  雌雄異株

サカキがない関東地方でサカキの代用として神事に用いる。名前の由来は「姫榊」、「非榊」などといわれる。


ヒノキ(檜) ヒノキ科ヒノキ属
常緑針葉樹  雌雄同株

スギ、マツと並ぶ主要な林業用針葉樹として植栽造林されるが、大青田の森ではこれとは異なり、土地所有者の境界線に沿って植栽された「境界木」としてスギと共に存在する。


ホオノキ(朴木
モクレン科モクレン属
落葉広葉樹  雌雄同株

晩春から初夏、枝先に輪生状についた葉の中央に直径 15 - 20 cmの大きな両性花が上向きに咲く。1日目に雌しべが成熟し、2日目に雌しべが閉じて雄しべが開くことによって同花受粉を避けている。

ホオノキの葉は大きく、芳殺菌・抗菌作用があるため、食材を包んで、朴葉寿司、朴葉にぎり、などに使われる。落葉した葉も比較的火に強いため、朴葉味噌、朴葉焼きなどに利用される。

ホオノキの樹皮は生薬として厚朴(こうぼく)とよばれ、漢方で鎮痛、鎮咳、利尿、健胃剤とされる。

 

ホオノキの材はやわらかく、版木、製図板、寄木細工などの細工物、仏壇、鋳物の木型、食器などに利用される。下駄の替え歯として広く流通していた(朴歯下駄)。


ミズキ(水木
ミズキ科ミズキ属
落葉広葉樹  雌雄同株

56月に、枝先に散房花序を出し、白い小さな花をたくさん階段状に付けるが、花は樹下からは見えず、少し離れた所からは良く目立つ。

 

材は軟らかく緻密で、建築材や器具材として用いられるほか、薪炭材として利用される。東北地方では、木肌が美しくて割れにくいことからこけしが材として用いられる。正月の祝箸(柳箸)の材にも使われる。


ヤマボウシ(山法師
ミズキ科ミズキ属
落葉広葉樹  雌雄同株

大青田に生育するヤマボウシは2014年、千葉県の林業事務所から贈られ植栽したものである。

初夏咲く花の花びらのように白く見えるのは総苞片である。

 

果実は生食でき、果皮も熟したものは甘く、果実酒にも適する。